セミナー2026.10.8

ラウンドテーブルを2026年9月24日(木)に開催

ラウンドテーブル「『サイレントキラー』非ウイルス性肝炎の重症化を防ぐ政策的アプローチ ~特定健診スクリーニングと『かかりつけ医×専門医』病診連携の最前線~」を開催

急増する非ウイルス性肝炎(MASLD/ALD)の重症化予防に向け専門家が集結 特定健診への「血小板測定」導入や運動リハビリの保険適用、医療経済的インパクトに基づく制度改革について議論

 

一般社団法人 日本パブリックアフェアーズ協会(東京都港区、代表理事:増田寛也)は、2026年9月24日(木)に「『サイレントキラー』非ウイルス性肝炎の重症化を防ぐ政策的アプローチ」と題するラウンドテーブルを開催しました。

本ラウンドテーブルでは、はじめにモデレーターを務める日本医療伝道会衣笠病院グループ理事の武藤正樹氏より冒頭挨拶を頂戴し、「15年前の肝炎対策基本法制定時とは異なり、現在は脂肪肝やアルコールなど非ウイルス性肝炎への対応が急務となっている。肝疾患の構造激変に対し、医療計画や診療報酬を含めた制度設計を時代に合わせてアップデートすることが重要だ」と、開催の趣旨や政策課題の背景について述べられました。

続いて基調講演①として、奈良県立医科大学 消化器内科学講座 教授の吉治仁志氏より「アカデミアから見る非ウイルス性肝炎の現状と予防 ~アルコール性肝障害・脂肪肝の『拾い上げ』から見見据える地域連携~」と題して講演いただきました。続けて基調講演②として、虎の門病院 肝臓内科の芥田憲夫氏より「臨床現場における代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)早期発見・治療の壁と、求められる制度改革」をテーマとした講演を頂戴しました。

吉治氏からは、「お酒を完全にやめなくても、減酒薬やアプリ等を活用したハームリダクション(減酒)によって病気のリスクを大幅に下げられる」とのコメントがあり、「ALT over 30(ALTが30 U/Lを超えたらかかりつけ医を受診)」を周知して無症状の段階から早期受診へつなげる地域連携モデル(奈良宣言)についても言及がありました。そのうえで、健診現場での判定基準の見直しと早期受診勧奨の必要性を発表いただきました。

芥田氏はMASLDにおける全身性疾患リスクに触れ、「特定健診の必須項目に血小板測定が入っていないため、1次リスク評価(FIB-4算出)が機能していない『特定健診の壁』が存在する」として、2,000例以上の実績がある理学療法士による廃用リハビリの長期的な脂肪肝改善効果や、早期介入が心血管疾患や他臓器がんの予防につながる医療経済的インパクトを紹介し、運動リハビリの必要性を発表いただきました。

基調講演の後に、前多久市長・元社会保障審議会医療保険部会委員の横尾俊彦氏、NPO法人東京肝臓友の会の米澤敦子氏、モデレーターの日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 武藤正樹氏を交えまして、3つのテーマ(テーマ①『特定健診制度の壁とスクリーニングの全国標準化』テーマ②『疾患特性に応じた介入策と運動リハビリの制度化』テーマ③『「自己責任論」を打破する医療経済的インパクト』)について、パネル討議を行いました。

横尾氏からは「多久市では集団健診に血小板検査を導入済み。1人数百円程度で実施可能で、決断と実行が要。その数値でリスクを明示でき、市民の行動変容につながる。あとはご本人の意識と行動が健康な人生を叶える」とのご意見を頂戴し、米澤氏からは「患者相談でも脂肪肝やアルコールの悩みが急増している。『自己責任』と突き放すのではなく、理学療法士や栄養士による正しい指導を保険診療として受けられる仕組みがあれば心強い」とのコメントを頂戴しました。さらに、特別挨拶として登壇された衆議院議員 自由民主党の鬼木誠氏からは「特定健診への血小板導入や運動療法の評価は、国民の健康寿命延伸と医療費適正化に不可欠であり、与党としてもしっかり取り組む」として制度改正に向けた前向きなご意見がございました。

弊協会は今後、本ラウンドテーブルにおいて登壇者より示された最新の知見や現場の課題提起を踏まえ、非ウイルス性肝炎の重症化予防に向けた具体的施策を「民間の声」として政策提言書に取りまとめ、公表いたします。特定健診におけるスクリーニング体制の強化や運動リハビリの制度化など、国民の健康寿命延伸と医療費適正化に資する政策検討が国や自治体において迅速に進むよう、関係機関への働きかけを含めた活動を推進してまいります。

弊協会では、こうした取り組みを通じて、市民、学者、政治家、行政が参加するオープンな議論と政策検討の場を用意する「パブリックアフェアーズ活動」の概念普及を推進しています。政府機関だけでは解決策を考察・実行することが困難な社会課題に対し、今後も民間の活力と叡智を取り入れた解決策を提供すべく、多角的な議論や研究を継続してまいります。

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